どもりに起因する二次障害のうち、
最悪なものが自殺にまで至ってしまうケースです。
どもりではない人からすれば、「どもりが原因で自殺なんて…」
と思うかもしれませんが、そうした「どもりくらい」という考え方が、
どもりの症状に悩む人を苦しめ、最悪の場合、
自殺に追いやってしまう事もあるのです。
どもりは、他の身体的な機能不全の症状に対する認識と比べると、軽視される傾向にあるようです。
しかし、自然治癒が可能なケガなどととは違い、どもりは放置しておくと治りませんから、
症状によっては重い場合があるということを忘れてはいけません。
また、どもりは治療などを始めても、直ちに改善されるようなものでは無いため、
長い間どもりの症状に悩み苦しむ人も少なくありません。
特に社会人として働き始めると、仕事を効率良くこなすことが求められる傾向があるため、
どもりの症状がそれを妨げる原因となってしまうことも多いと思います。
そのような仕事上のマイナス作用を避けるために、会話が必要最低限で済むような職業を選択する人もいますし、
逆にどもりを克服するために会話の多い仕事を選択する人もいます。
いずれにせよ、どもりの症状を抱えた人が社会に適応できるようになるためには、
それなりに努力することが必要のようです。
しかし、誰もがそのような緊張状態に耐えられるものではなく、
ストレスが極度に蓄積した場合、自律神経のバランスが崩れてしまう事があります。
身体機能を正常に保つためには、自律神経が正常に機能していなくてはならないのですが、
これが崩れてしまうと様々な身体の不調を引き起こしてしまいます。
精神的ストレスだけでなく、身体の不調もそこに加わってしまうと、
自分を否定する気持ちが芽生えてしまう人も少なくありません。
もともと、どもり症の人には対人関係においてコンプレックスを抱きやすい傾向があるため、
精神的・肉体的不調が重なった状況になると、自己否定の気持ちが更に強くなってしまいかねません。
そして、最悪のパターンに発展した場合、自殺という道を選んでしまう事もあるのです。
非常に残念なことですが、現在のところ、こうした現状に対する理解は薄いものとなっています。
どもりが原因となって自殺にまで至ってしまう悲劇を防ごうとするなら、
国や自治体が率先して対策を打ち出し、支援していくことが不可欠だと思います。